千葉の畑では、今さつま芋の植付けが中盤を迎えようとしています。加瀬さんの畑でもさつま芋の植付けで忙しい時期を迎えています。今回は、そのさつま芋の苗のレポートです。
加瀬さんの所では苗ももちろん自家製で、家の前のハウスのほとんどがこの時期芋の苗床になっています。今年は、3・4月の天候不順が芋の苗にも影響を及ぼし、我々にはきれいにはえ揃っているのでわからないのですが、プロの農家の目から見るとハズレだそうです。
伺ったときちょうど、加瀬さんちのおばあちゃんが苗をとっていたので話をうかがいました。芋の苗は、6~8節出ている苗を取るそうで、それを畑に真ん中 の3節が埋まるくらい土に挿していくそうです。そうすると一番下の節から根が出てきて、真ん中3節から芋ができるそうです。中でも最も浅い所の節から出る ものが一番いい芋になるそうです。
この苗床は、ほぼおばあちゃん一人で管理しており、苗を取るのも一人で全部取るそうです。10a(アール※文末に補足アリ)あたり約3300本の苗が必要で、加瀬さんち だけでも300a(アール※)は芋を作りますので、それだけでも約10万本の苗が必要なんです。ちょっと気の遠くなる数字ですよね。それ以外にも頼まれた 分もありますので、恐ろしい数量の苗を一人で取っている勘定です。それを淡々と笑顔で話しながら取っている姿に、ただひたすらプロの農家の凄さを思い知ら されました。これでも昔のハウスが無くて、自分たちで苗床の環境を作っていたころに比べたらかなり楽になったそうですよ。
芋は植えてからの天候も非常に重要な要素だそうで、植えてすぐに風に吹かれると苗が傷むし、日照が続くと乾燥して、芋ができないこともあるそうです。その 昔、日照が続いたとき、おばあちゃんは一人で苗一つ一つに水をやったそうです。家の人からはそこまでやらなくてもいいといわれたそうですが、その結果、ま わりの農家ではほとんど芋が取れなかったのが、加瀬さん所だけは立派な芋が取れたそうです。嫁(おばあちゃん)がやったことだから誰も褒めてくれなかった そうですが、自分自身ではその時のことを誇りに思っているそうです。人一倍働き者のおばあちゃんらしい逸話でした。
このおばあちゃんにかかれば加瀬さんもまだまだひよッ子みたいなもんで、毎日苦言をぶつけているそうですよ。いつまでも元気で、もっともっと先人の知恵を研修生などに受け継いでもらえたらいいなぁと感じました。
(2010年6月1日 長谷川市朗)
※補足
a=アールとは面積を表す単位で、1aが100平方メートルです。
と言っても分かりにくいと思いますが、6畳の部屋10個分くらいと言うとどうでしょうか?
300アール=6畳の部屋10個×300個分がサツマイモの畑。うーん、広いです。





